クルマは楽しいモノ、だからもっともっと楽しくしたい。 その2

VOL.11_1

竹岡 圭 

東京都出身
自動車専門誌、女性誌、一般誌、インターネット(Web媒体)、TV、ラジオなど、さまざまなジャンルで、執筆者として、コメンテーターとして、活動する。クルマのインプレッションやコラムなどの他、チャイルドシートやカーグッズ、クルマ旅行など、カーライフ全般を女性の視点からレポート。また、イベントでのトークショーや講演、各種セーフティドライビングスクールのインストラクターなども積極的に行っており、さまざまな角度から快適なカーライフをサポートするべく、実際にユーザーにアドバイスすることも大切にしている。
日本自動車ジャーナリスト協会(A.J.A.J.)理事
日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員
国土交通省「社会資本整備審議会 道路分科会 有料道路部会」委員
国土交通省「駐車場システム検討会」委員
自動車技術展「JASE EXPOSITION AWARD」審査委員
神奈川県 かながわのみちづくり計画検討委員会 委員チャイルドシート指導員

モータージャーナリストとして活躍する一方、
国土交通省「社会資本整備審議会道路分科会有料道路部会」委員、
かながわのみちづくり計画検討委員会委員なども兼務する竹岡氏。
「竹岡圭って男みたいな名前じゃないですか。
だから写真がなくて肩書きだけみると皆さん怖いおじさんを想像するみたいで、
会うと『あれ、女の人なの?』と拍子抜けされることもしばしば。
肩書きだけ偉そうなんで肩書き商売か?なんて言われてます(笑)」と明るく笑う竹岡氏に、
今回はレースのこと、委員会のことなどを伺っ た。

クルマを「楽しむ・遊ぶ」レース。

今年も手軽なレースに参戦していきますけど、私の場合プロを目指しているわけじゃないんでクルマを「楽しむ・遊ぶ」の一環ですね。それを通じて、モータースポーツの楽しさをもっとみんなに伝えていきたいんです。やってみたい人は意外にいると思うんですよ。でもレースってやっぱり敷居が高いでしょ。だから、車も免許もないぐらいでクルマの世界に入ってきた私でもレースができるし、やってみたら面白いし、私みたいな女の子がやっていれば「ああ、あんなやつでもできるなら」って思うじゃないですか(笑)。それでレースへの敷居が少しでも低くなればと思っています。
 サーキットももう少し気軽に、例えばゴルフの練習行くぐらいの感覚で走れるようになるといいなって思うんです。ニュルブルクリンクなんかはチケット買えば、日本円だと多分1周1500円から2000円ぐらいで25kmのコースを誰でも走れるんです。ワゴンでもバスでも10人乗っていても、1人しか乗ってなくてもOK。そういうのが日本にもあればいいですよね。ゴルフって練習場に行くとレッスンプロがいるんでしょ?サーキットも専属のかっこいいレッスンプロがいれば、もっとモータースポーツも流行るんじゃないの、とか思うんですけどね(笑)。

虎視眈々と狙っていたんです(笑)。雑誌編集部から『メディア対抗のロードスター4時間耐久レースがあるんだけれど出てみる?』って言われて『出たい』って無謀にもいきなり出たんですよ。私のモータースポーツはそこから始まるんです」。
竹岡氏のブログ〈http://blogs.yahoo.co.jp/kei_takeoka〉

乗って楽しい有料道路。

それから今は、国土交通省「社会資本整備審議会道路分科会有料道路部会」委員をやらせていただいています。そういえば初めて国土交通省とお仕事させていただいたとき、雑誌の編集部に突然「国土交通省です」って私あての電話がきたらしくって、「いたずらじゃないか」って悩んだらしいんです。私も「心当たりあるか?」「ないよそんなの」(笑)って感じで。調べてみたら「どうも本物らしいよ」って言うことで、こちらから電話したら「雑誌で見ているんですけど、ユーザー代表として委員をやって頂けませんか」ということだったんで「じゃあ、やらせていただきます」ということでお付き合いが始まりました。
 でも、かなり浮いてますよ(笑)。皆さん大学の教授とかJAFの偉い人とかで、私1人こんな感じ。それで「これからは乗って楽しい有料道路じゃなきゃだめでしょう」とか突飛な意見を言っちゃうんですから(笑)。だって有料道路が45年でお金返さなければいけないのは決まっているからタダにするわけには絶対いかないじゃないですか。だったら有料道路の利用率を上げるためにはどうするかって考えていかなきゃいけないでしょ。それには利用しやすくて快適で楽しくて安全でが一番。ETCで「100台に1台タダになる」とか、観光地とタイアップして「今週は箱根方面マイル2倍キャンペーン」とかやれば観光地も潤うじゃないですか。民営化されたんだから、そういう「乗って楽しい道路を目指しましょうよ」なんて意見を言ってるんですよ。採用されるかどうかはわかりませんけど、一応言ってはあります(笑)。

プロスペック入社時に日常の足として手に入れたビートで軽自動車のレース“K4GP”にも参戦。10年乗った頃にナンバーを切って本格的レーサーに。'05年1月にはマレーシアのセパンで開催されたK4GPの6時間耐久でクラス優勝、女性ドライバーとして現地で注目を集めた。そして今年2月10~11日再びセパンへ。「今回は24時間耐久レースということで、さらに準備が大変。仲間とがんばってきます!」。師匠の日下部保雄氏も“自腹ワリカン”で一緒に参戦する。(写真は'06年8月K4GP 富士1000kmにて)

「十勝24時間耐久のチームマネージャーをやっていた時に知り合った“お弁当屋ん”が昔モータースポーツやっていて『出たいね』っていう話しになったんですよ」。それが実現して'00年、'01年と十勝24時間耐久レースに参戦。写真 '00年 #55 アドバンWINMAXインテグラR ドライバー:村西 豪紀、加藤 英昭、竹岡 圭、上田 五郎)

クルマは楽しくなきゃいけない。

これからのクルマは自動運転みたいな世界に行くのと、もう1つは自分で運転するのと両極端にいくんじゃないかと思っています。元気な時は自分で運転を楽しんで行きたいし、渋滞して帰ってくるんだったら「ベルトコンベアで運んで」って思うじゃないですか。そういうふうに自動運転レーンと運転を楽しめるレーンに道路が進化して分かれていくのもありかな~なんて。それから、ROMの切替で「今日は燃費モード」、「今日は走りたいモード」とかできたら面白いと思いますね。 
 「クルマは楽しくなきゃいけない」っていうのが私の持論なんです。人が移動するってことで考えれば乗り物は色々ありますけど、比較的簡単に免許が取れて自分で操って移動できる乗り物がクルマですよね。だから楽しくなきゃいけない。安全じゃなきゃ楽しくないし、事故でも起こしたら楽しくないでしょ。だから「安全」も「楽しい」に含まれるし、「快適」っていうのも「楽しい」に含まれるし、全て「楽しい」に含まれるなって思っているんです。
 仕事も「楽しくしよう」がモットーなんですよ。だからレースも仕事もクルマも楽しく。その楽しさをいろんなメディアや機会を通じて皆さんに伝えて、一緒に楽しんでいけたらいいなと思っています。

(写真 '01年 #21 パイオニアADVANインテグラR
ドライバー:加藤 英昭、竹岡 圭、藤村 照行、大久保 千穂)

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