イエローハット八乙女店

仙台でもっとも交通量の多い道に数えられる国道４号線と北環状線。このふたつの大動脈の狭間という難しい立地に位置する「イエローハット八乙女店」。微妙な道路環境は、量販店の商いの形態をも変化させました。「お客様の数はバイパスの大型店に比べれば少ない。しかしその分、お客様への対応にゆとりが生まれ、ちょっと他のイエローハットにはない、ユニークな店の雰囲気になっていったのです」と語る伊藤孝幸店長。もともと車好きなスタッフが多かったこの店。それぞれの自覚からタイヤ、ホイール、オーディオ等、各部門のスペシャリストが育っていきました。やがてお客様の方から「○○さんいる？」というように、お気に入りのスタッフを指名して作業を頼む常連さんが増えていったのです。「まるで昔からある町の車屋さんみたいでしょ（笑）。でも私どもの場合、そうしたお客様が多いのです。それに質のいいものを自信を持っておすすめするようにしてますので、客単価が高いというのも特徴かもしれません」。それはお客様から投げかけられた疑問にきちんと回答を与え、細やかな接客をしているからにほかなりません。伊藤店長自身、東北ではまだまだ数の少ないオーディオインストーラーの有資格者。マニア向けの専門店ではなくイエローハットという一般ユーザーから見て親しみやすい店で、高度な専門的技術を活かすことに伊藤さんはやりがいを感じています。「ていねいな接客をしていく中で気付くことがあるんです。例えば、タイヤ交換に来たお客様でも、実はそれだけでなくいろいろ車の悩みをかかえていたりとかね……カーオーディオの音がひずむとか、ワイパーの調子が悪いとか。いろいろなお客様の要望をできるだけ多くくみ取ってあげることが大事な気がします」。努力家のスタッフたちと共に築いたお客様との信頼関係。これからもそれを土台にしてがんばっていきたいと伊藤店長の目は輝いていました。