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ENGINEERING PHILOSOPHY

ホイールにとって一番重要な要素とは何か?

スポーツホイールに求められる性能とは一体何か?
一般ユーザーにとって最もわかりやすいエレメント(要素)は、やはり「軽さ」である。手に取ったときの軽さ。装着して感じる操舵レスポンスの違い。回転体であるホイールが軽くなることは、すなわち慣性重量の軽減を意味する。
しかしENKEIは、「軽さ」だけにフォーカスしない。ホイールが性能を発揮するためには、そこに「剛性」、そして「強度」も必要。どれが欠けても、だめなのである。

 

剛性確保はホイール性能の基本。

「剛性」とは何か。それは、物体に力がかかったときの変位しにくさである。
“硬い”とイメージされる金属でも、加えられた力に比例して変形し、力を除くと元の形に戻る性質を等しく持ち合わせている。このときの変形とは、撓み(タワミ)と置き換えると解り易いかも知れない。
混同しがちだが、「強度」(=壊れにくさ)とはまた違う性質だ。
現代の高性能タイヤが持つ強力なグリップを適正に発揮させるためには、車体とタイヤとを結びつける機能を受け持つホイールに、高い剛性が求められる。
剛性が低いホイールはタイヤからの入力に比例して大きく変位(=撓む)してしまう。だからENKEIは、ホイールに求められる性能において、剛性の確保を最重要視する。
例えばコーナリングをイメージして欲しい。
先ず、ドライバーのステアリング操作によって、フロントホイールとタイヤが、コーナーのイン側へと向けられる。しかし、車体は慣性の法則によって、真っ直ぐ進もうとする。次に、タイヤが発生したコーナリングフォースをホイールのインナーリムが受けとめ、真っ直ぐ進もうとしている車体をコーナーのイン側へと向かわせる。つまり、コーナーに対して外側にあたるホイールのインナーリムが、車両のコーナリングにより発生する最大荷重を一身に受け持つのである。
このとき剛性が低いホイールでは、インナーリムが大きく撓んでしまうのだ。大きな入力を受けるたびに大きく撓むホイールでは、いかにハイグリップなタイヤを組み付け、高性能なサスペンションを装着しようとも、クルマの性能を十分に発揮できない。

「弾性」「剛性」「塑性域」 ホイールが力を受けると変形が起こる。それが元に戻ろうとする性質を「弾性」、変形を抑える強さを「剛性」という。力を受けた素材は弾性域を過ぎると変形が戻らなくなる「塑性域」に入り、さらにその領域を越えると、最終的に破壊に至る。

インナーリムのたわみ タイヤのグリップ力がコーナーリング時の遠心力により、インナーリムの変形を引き起こす。
同時に、スポークも引っ張られる事により変位する。

剛性確保はホイール性能の基本。

では、ホイールの剛性を上げるためには一体どうしたら良いのか?
残念ながらアルミ合金という素材を使う以上、製法によって剛性を向上させる術はない。
というのも、鍛造用アルミ合金と鋳造用アルミ合金は、材料剛性が同等なのである。
一般的に「鍛造製法=強い」というイメージがあると思う。
しかし物体に力を加えたときの変位量(弾性変形域=加えた力を取り除くと元の形に戻る領域)を、「ヤング率」(縦弾性係数)という数値で見てみると、鍛造も鋳造もほぼ同じなのだ。
また両者の比重もほぼ同等。よって仮に両者でまったく同じ形のホイールを作ったとき、その重量はほぼ同じになる。
それでは、鍛造造製法のメリットとは? つまり、「材料強度が高い」ことである。
一般的に、鍛造は鋳造と比較して、塑性変形域(加えた力を取り除いても変形が残る領域)に至る強度(=耐力)、破壊に至る強度(=引張強さ)に優れる。
しかし、高い材料強度に頼って極端な軽量化を施すと、例え必要な強度が確保されているとしても、極端に剛性が低いホイールとなってしまう。
いわば「ゴムのようなホイール」になってしまい、どんなに高性能なタイヤを装着しても、十分な性能を発揮させる事ができない。

鋳造用アルミ合金と鍛造用アルミ合金の比較 鋳造用アルミ合金と鍛造用アルミ合金の比較

インナーリム側から溶解したアルミ合金を流し込み、デザイン側から急速冷却することで強度が高まる。 インナーリム側から溶解したアルミ合金を流し込み、デザイン側から急速冷却することで強度が高まる。

鋳造でも強度を確保するふたつの技術。

ENKEIは、鋳造ホイールでも鍛造並みの強度を確保する技術として「ダービル鋳造システム」と「MAT PROCESS」を採用している。
ディスク面を下にした金型内へ、溶解したアルミ合金をインナーリム側から流し込み、ディスク面から急速冷却~凝固させる。これによってアルミ合金の金属組織を微細化させ、機械的性質(引張強度、耐力、伸び)を大幅に強化させている(ダービル鋳造システム)。
こうしてできたホイール素材を、さらにマンドレル(芯金)型に固定し、回転させながらローラーによって圧延加工する事で、金属組織内に「メタルフロー(鍛流線)」を作りだし、強度的にも鍛造なみのインナーリムが成形される(MAT PROCESS)。
こうしてできあがったホイールは、いわば鋳造と鍛造のハイブリッド。モータースポーツにも十分通用する強度を持ちつつ、低コストを実現。なおかつ“ホイールの顔”であるディスク面には鋳造ならではの自由度の高いデザインを施す事ができる。

MAT PROCESS
ENKEI独自の最新リム成形方法「MAT PROCESS」

MAT PROCESS
マンドレル(芯金)型に固定し、回転させながらローラーによって圧延加工を施すとアルミ合金の金属組織に、鍛造製法の特徴である「鍛流線」が現れる。

ホイールにとって一番大切なもの…。それは「設計力」である。

材料の観点からホイールの剛性を高めることができないのであれば、どのようにしてENKEIは剛性を確保しているのか。
その結論こそが「設計力」である。
大きな入力に対して高い剛性を保つには、入力に抗う方向の断面積を増やせばいい。ただし、無闇に断面積を増やせば当然ホイールは重くなる。
しかしスポークレイアウトやその断面形状、リムの形状(=リムプロファイル)を適切にデザイン(設計)すれば、ホイールの重量を増やさずに高い剛性が確保できるのだ。
それは、ENKEIが長年のホイール設計から得た膨大なデータを持ち、これをベースに自社でCAE(コンピュータ・エイデッド・エンジニアリング)による3Dシミュレーションを行うからこそ可能となる。
さらには応力集中の少ないポイント(削り取っても剛性が変わらない部分)を洗い出し、グラム単位のシビアな軽量化を行う。
製法が「強度」を確保し、優れたデザイン(設計力)が「剛性」と「軽さ」を実現する。
いわば「設計力」こそが、ENKEIにとって一番の財産。
高性能スポーツホイールを作り出すのに必要不可欠なもの、それが「設計力」なのである。

 

ENGINEERING PHILOSOPHY

スポーク断面による「剛性」の違い

3Dシュミレーションで解析
世界中のあらゆるレースカテゴリーで長年に渡る活動により蓄積された膨大なデータを元に、CAE(コンピュータ・エイデッド・エンジニアリング)による3Dシミュレーションで強度・応力・衝撃などの解析が徹底的に行われる。

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